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一人バンド、火頭工房

ジャズギターのウォーキングベース+コード奏法

なぜ多くのポップスミュージシャンはジャズに憧れるのか...

 

大抵のミュージシャンはクラシックとジャズを特別扱いします。
「実際に難しいことをやっているからしょうがない、演奏技術を追いかけるとジャズかクラシックに行き着くからね」なんて聞いたりします。


人のバンドのサポートしたりしていると、「よし、俺達も次はジャズに挑戦しよう。火頭ちゃん練習よろしく」なんてことになるんですよね。こういう安直なモクロミはロクなことにならないのを経験的に知っているので全然乗り気がしないのですが。

 

かくいう私も、ギターを練習する、といえばジャズを題材にすることが多いです。これは即興を練習するのにジャズが手ごろだからというのが一番の理由で、ジャズを研究したいというわけではなかったりするのですが...なんかややこしい。


ともあれ、たしかにジャズの即興演奏は多くの人の憧れであり、私も早々に学習すべき領域であります。

 

で、今回は何をするかと言えば、ジャズギターの伴奏法の一つをご紹介するということ(はっきり言って即興とはあまり関係がありません)。


ウォーキングベースをしながらコードを同時に放り込む、という奏法を考えてみたいと思います。ボーカルの伴奏を一人でする時なんかに使えると思います(というかそれしかない?)。でも手っ取り早くジャズっぽくて良い感じの奏法です。

 

まずはウォーキングベースの可能性から、枯葉を題材にしてみましょう。

 

こういうコード進行の時。Key = Gm

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ベース音は例えばこう。1、3拍目はコードトーンにするのが基本みたいです。

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3拍目はコードの3度の音になり、2拍目もキーの音から選んでいるので素直な響きがします。(しまった、4弦じゃなくて6弦を使った方がベースラインらしかった)

 

別パターン。

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4拍目は次の小節の一拍目の(大体がルートになりますが)半音上か下、というパターン。これは4拍目の音がよくキーの音から外れるので、少しビックリするような感じの音になります。それが良いのです。


あとは、同じ音を叩いたり、行ったり来たりするような動きもOKです。横の動きが好まれますが(ウォーキングというくらいなので)別に跳躍したって大丈夫です。

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では次にコードを放り込むぅ。

1拍目、表や裏に

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まぁこれは当たり前です。
ベースを動かし続けることが大事なので運指を考慮する必要があります、慣れ親しんだガッツリ系の押さえかたはとりあえず忘れましょう。4弦がルートになるケースも結構あるので、ついでに覚えておきましょう。

 

ベースライン用に指を空けておきたいので、コードの5度の省略などは当たり前に行います。2小節目F7のCの音は省略することが多いです。

 

さて、次はさきほどの半音アプローチのパターン、今度は3、4拍目にもコードを当ててみましょう。繰り返しですが、コードをガッツリおさえるのは運指が厳しいので、省略を上手く使います。

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おお、3拍目、4拍目のおかげでゴージャスに、それに4拍目はなんともエキサイティングな音がします。


3、4拍目のコードがどうなっているかは音楽理論を学習する必要があるのですが、
例えば...
・次にくるコードと同じ種類のコードを使い、上から(あるいは下から)アプローチする
ドミナントコードでアプローチする
・キーの音を優先しマイルドにアプローチする

などがあります。要は欲しい音が鳴るように選びます。


さて、最後にまた素直な音がするパターンから、1拍目にコードを入れるだけでは寂しいので3拍目の扱いについて考えましょう。

 

これは実はかなり難しいです。
3拍目にコードを入れようとすると普段とは違ったコードの押さえ方を習得しないといけません、ポジション的にどうしてもそうなります。

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3拍目のベース音はコードトーンの3度なので、ということは残った指で、ルート、5度、7度の音(その一部でも可)を足す、という考えになります。

 

まともに伴奏として使えるレベルまで習得するには、6弦がベース音の場合、5弦の場合(できれば4弦も)に分けて考え。

これを最低でも、メジャー7th、マイナー7th、ドミナント7(できればマイナーセブンフラット5、ディミニッシュ)のコードで覚えないといけません。かなり押さえ方にバリエーションがあるので、大変です。まぁこういうフィンガーボードに慣れましょう、というのはジャズギターで必須なんでしょうけど。

 

例えばこういうパターンになります、ベース音の動きがネックになって忙しい。

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3度が低音になった場合のコードの押さえ方というのは、転回形と呼ばれます。例えば3度がベースの場合はこんな感じの押さえ方が考えられます。↓ 場合によって、7度の音を省略したり、5度を省略したり、2音しか鳴らさなかったり、と色々考えられます。

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フィンガーボードトレーニングとして良い体操になりますので、お試しあれ。

 

こういうことをやり出すと、え?じゃ5度ベースの場合とか7度ベースの場合とかもやるの?となりがちですが...今回のウォーキングベース奏法は結構例外で、普通は1~4弦だけ使って覚えます(これは定番のトレーニングです)。

 

ウォーキングベースの話に戻ります。あとはこれらのパターンを自由に組み合わせれば、完成です。慣れるともう少しリズムに変化をつけたり、コード音を足したり、テンションも使ってみたり、ベースパターンを工夫したり出来ます。追加のトレーニングとして、ベースライン下降パターンとその場合のコードの転回形や、もっとアウトさせてみる、などが考えられます。


練習していると、このパターンは6弦から始める場合に向いているとか、メジャー7thコードの場合がやりやすいマイナーコードがうんぬんなど色々分かってくると思います。

 

最後に今回のエントリーを書くに当って大いに参考になった動画を一つ。

youtu.be

いつか満足にジャズが弾けるようになったら、ジャ爺(ジャジィ)という名前で活動したいと思います。

 

ではまた。